後半の人生を元気に生きて、豊かなすばらしいものにするためには、健康な身体と体力が必須条件です。どんなに長生きしても、体力がないと「何をやっても続かない」「何もやる気が起きない」といった状態になりがちです。
最悪の場合、何らかの疾病がもとで寝たきり状態になってしまう可能性もあります。そのようなことを避けるためにも、50代、60代のうちから「体力づくり」を意識した生活をして行きましょう。
そもそも「体力がある」とはどんな状態か
同じ年齢でも、体力がある人とない人とがいます。
若いから「体力がある」、高齢だから「体力がない」というわけではなさそうです。
では、この「体力がある」とは、どのような状態なのだろうか。
単に筋肉量が多いというだけではなく、息切れせずに長時間歩いたり走ったりできる「持久力」や「心肺能力」も体力のうちとして見なされます。
また、危険が迫っている時に咄嗟に身をこなすことができる「瞬発力」や「判断力」、何かにつまずいても転んだりしない「バランス能力」なども含めた、総合的な身体的能力が「体力」という言葉で表現されます。
体力があれば、70代になっても、80代、90代以降になっても、毎日の生活が活動的で、充実したものになります。
体力がないと老後はどうなる?
体力があるかないかによって、幸せな老後をおくれるかどうかが決まるといっても過言ではありません。
体力がないと、少し歩いただけでも疲れてしまうので、外出するのが億劫になります。その結果、家に引きこもりがちになるので、ますます体力が落ちるという悪循環になります。
家にいて食べる分の料理を作ったり、身の回りの掃除、洗濯などは何とかできても、やはり少し動いただけで疲れてしまうので、すぐに座り込んだり横になったりという状態になります。
身体を動かさないと骨や筋肉は弱くなるため、少しつまずいて転んだだけで「骨折」するということがよく起こります。
さらに骨折がもとで寝たきりの状態になってしまうという可能性もあります。
また、体力がないと精神的にもマイナス面が多く出てきます。
人と合うことに消極的になり、新しいことを始めてみようという意欲や気力も減少するため、うつ気味になったり、認知症のリスクも高くなります。
このようなことを避け、幸せな老後をおくるためにも、50代、60代のうちからしっかりと体力づくりをしておきましょう。
体力があると年を取ることが怖くない
多くの人は、年を取ることに漠然とした不安をかかえています。
その不安の原因としてまず挙げられるのが、「自らの健康問題」です。
老後の生活費の問題や、家族関係の変化なども不安の原因になりますが、自分が健康であれば何とか解決の糸口を見つけることもできます。
しかし、もし病気で倒れてしまったら・・・。
なすすべがありません。
このような「老い」に対する不安を和らげる方法のひとつが、「体力をつけること」です。
体力があれば、日々の生活が活動的になり、食生活も安定してくるので、骨や筋肉、関節が丈夫になります。
何らかの病気にかかったとしても、免疫力や抵抗力があるので重症化するリスクが少なく、回復も早くなります。
さらに新陳代謝も活発になるので、アンチエイジング効果も期待できます。
このように、体力があると病気への不安も軽くなり、やりたい事を積極的にやって行くようにすれば、年を取ることがむしろ楽しみにもなります。