今後の高齢化社会を元気に生きていくためには、ひざ裏の筋肉を強化しておく必要があります。普段はあまり気にとめませんが、ひざ裏の筋肉が弱いと猫背になったり、肩こりや腰痛を引き起こすことがあるからです。
ひざ裏の筋肉を強化するには、「ひざ裏伸ばし」のストレッチが有効ですが、運動が苦手な方でも簡単にできるので、日常生活の中に取り入れてみましょう。
ひざ裏が伸びていないと・・・
私たちの身体を支えているのは骨格ですが、その骨格の周りで姿勢を支えたり、身体を動かしたり、熱を生み出したりしているのが筋肉です。
筋肉は、加齢に伴い徐々に弱くなってきますが、特にひざ関節に付いている筋肉が弱くなると、身体を支えようとしてひざが曲がり、変形性膝関節症を発症したり、また全体のバランスを取ろうとして猫背になります。
猫背になると、年齢よりも老けて見えるほか、歩幅が狭くなるので、ちょっとしたことで躓いたり、転倒しやすくなります。また、肩こりや頭痛、腰痛などに悩まされることも増えます。
さらに、前かがみの姿勢は胃腸に負担をかけるため消化器の不調を起こしたり、肺が圧迫されて呼吸が浅くなり、疲れやすくなります。
50代・60代のうちから、意識してひざ裏の筋肉を伸ばすようにすることが、健康で楽しい老後を過ごすことにつながります。
ひざ裏の筋肉を伸ばすと若々しい体型に!
立ったり、座ったり、歩いたりする時など、膝関節とその周りの筋肉は重要な役割を担っていますが、体型にも影響を及ぼします。
特にひざ裏の筋肉が伸びていると、背筋もピンと伸び、若々しい体型になりますが、それは後姿にも顕著に表れます。
さらに全身の筋肉を強化することができれば、歩き方も颯爽として新陳代謝も活発になるので、若い頃と同じような体型を維持することも不可能ではありません。
ひざ裏の筋肉を伸ばすと健康にもプラス
ひざ裏の筋肉を伸ばすと、若々しい体型になるばかりではなく、全身の健康にもプラスになります。
前かがみの姿勢が改善されるので、肩こりや頭痛、腰痛などが軽減したり、物に躓いて転倒したり骨折するリスクも軽減します。
胃腸の働きも促進され、食欲も増して来ますが、体調が良くなって活動的になるため、脂肪の蓄積を防ぐことができます。
呼吸も楽にできるようになり、新陳代謝が促進されるので、アンチエイジング効果も期待できます。
簡単なひざ裏伸ばしのやり方
運動が苦手な方でも、簡単にできるひざ裏伸ばしの体操があります。
布団やマットレス、または畳の上などで横になり、両手は手のひらを下に向け、両脚を垂直に上げます。このままの姿勢を1分間ほどキープするだけで、ひざ裏の筋肉が伸びてきます。
この姿勢がきつい方は、壁の近くで横になり、壁に沿って両脚を垂直に上げてみてください。
このような方法を1日2回から3回行い、1週間ほど続けるだけでひざ裏に筋肉がついてきます。
また、椅子を利用した簡単なひざ裏のばしの方法もあります。
椅子に深く腰かけ、両脚を90度に曲げた状態から、片方の脚を膝を伸ばしながらゆっくり上げて行きます。脚が床と水平な状態で5秒間キープし、ゆっくりと元に戻したら、もう片方の脚を上げます。
これを両脚とも交互に20回ほど行うと、ひざ裏に筋肉がついてきます。
いずれの方法も、ひざ裏に意識を集中して行うようにすると、より効果的です。
※ひざ裏のばしは簡単な体操ですが、決して無理はしないでください。どこかに痛みなどが生じた場合は、体操を中止し、医師の診断を受けてください。
【参考書籍】
ひざ裏伸ばしの体操については、他にも色々なやり方があります。
書籍なども販売されているので、参考にしながら自分に合った方法でためしてみてください。