60代からのシニア起業が増加・その要因は？

近年、若い世代に限らず50歳以上の年齢で起業する「シニア起業」が、増加傾向にあります。
超高齢社会の進展や年金支給開始年齢の引き上げなどの時代背景もありますが、60代や70代での独立・起業も珍しくありません。

シニア起業は開業資金があまりかからないスモールビジネスが中心ですが、充実したセカンドライフにもつながり、今後も益々増加することが予想されます。

シニア起業増加の要因

60代からのシニア起業が増加した要因として、次のようなことがあげられます。

ネット環境が整備されたことにより、シニア層の間でもスマートフォンやパソコン、タブレットを使いこなす人が急激に増えています。

そのため、起業に関する情報収集が簡単になった事はもちろん、事業内容を宣伝するためのホームページ作成なども容易になっており、自宅に居ながら個人事業主として独立することが可能となっています。

60代まで働いてきた場合、仕事に関する知識や経験はかなり積みあがっているため、それを基盤に独立起業すれば成功の確率は高くなります。

さらにプラスして、自分の特技や能力を生かすことができれば、仕事を通した自己実現が可能になり、充実した人生へとつながります。

従業員を雇ったり、会社組織にしたり・・・となると独立起業の敷居が高くなりますが、現代はひとりでも起業することが容易になっています。

小さなショップやカフェを開いたり、自宅で趣味の教室を開いたりといったことは、ひとりでも十分可能です。

また、特定の会社や団体などに属さず、個人で自由に契約して業務を行う「フリーランス」という形態で働く人も増えています。

60代からの独立起業で特徴的なのは、今まで築いてきた数多くの人脈があるため、比較的楽なスタートを切れるということです。

独立当初は自分のビジネスを多くの人に知ってもらう必要がありますが、人脈があれば比較的スムーズに行き、また時には周囲からアドバイスや援助を得ることもできます。

「充実したセカンドライフを送りたい」と望む人が多いのも、シニア起業が増えている原因のひとつとして挙げられます。

長年会社勤めをし、定年退職後は何もしないのでは、味気ない人生になってしまいます。現代の60代は、まだまだ若く気力も体力もあるので、独立して若い頃からの夢を実現したいという人が増えています。

個人事業主やフリーランスになると、会社組織に縛られることなく、自由に仕事ができることから高齢になっても無理せずに働けるというメリットがあります。

休日を増やしたり、仕事中にお茶を飲んでリラックスするなど、勤務日数や時間なども自分で自由に決められるという点が大きな魅力と言えます。

シニア起業の場合、売り上げや利益よりもやりがいを重視する傾向がありますが、多少なりとも利益が上がれば、生活費に回すことができます。

特に、年金収入だけでは生活費が不足する場合など、少しでも収入を増やしたいという目的で独立起業する人も増えています。