近年、フリーランスで働く人が急増しています。
副業の推進や働き方の多様化など色々な要因がありますが、フリーランスとして働けるスキルを身に付けておけば、定年退職後も在宅で働くことができます。
フリーランスとはどんな働き方か?
フリーランスとは、「Free(自由)」と「Lance(槍)」を合わせた言葉で、中世のイタリアやフランスの傭兵部隊が語源となっています。
直訳すれば「自由な槍」という意味になりますが、ある決まった君主のために戦うのではなく、彼らは報酬を得ることを目的に自分で選んだ戦いに参加します。
現代日本でのフリーランスとは、特定の企業や団体などに所属せず、自分のスキルを武器に仕事に応じて自由に契約して働く人のことを指します。
具体的には、ライターやカメラマン、デザイナー、プログラマー、ITエンジニア、CADオペレーターなど、専門的な知識や技能・技術、経験などを有している人がフリーランスとして働いています。
フリーランスは、直接雇用されているわけではないため、最低賃金や労働時間、休日、有給休暇などを定めた労働基準法は適用されませんが、自分で選んだ職種で自由な働き方ができるのが大きな魅力となっています。
フリーランスになるには
フリーランスになるには、主に次のような準備や手続きが必要です。
(1)仕事に必要な知識や技能・技術などを身に付ける
どのような仕事をしたいかによっても異なりますが、独り立ちしてやって行けるだけの知識や技能・技術などを身に付けておく必要があります。
また、必ずしも資格を必要としませんが、資格があれば自信もつき実力をアピールすることができるので、仕事を探しやすくなります。さらに実務経験があれば、フリーランスとしての仕事を軌道に乗せやすくなります。
(2)必要なものを用意する
フリーランスとして働く場合、自分を売り込んで行くことが重要になるので、最低限、名刺と自らの仕事内容をアピールするためのウェブサイト(ホームページかブログ)を用意しておくと、以後の取引がスムーズになります。
SNSを通して自分の実績やスキルなどの情報発信をして行くことも可能なので、仕事用のアカウントを用意しておくこともおすすめです。
(3)仕事を探す
今まで働いていた職場や取引先から「業務委託」の形で、それまでと同じ業務を引き継ぐことができればベストです。
その他、友人・知人に声をかけて紹介してもらったり、同業者とのコミュニティや交流会・セミナーなどに参加して人脈を拡げておくと、仕事の依頼を受けやすくなります。
また、得意な事や何らかの専門的な技能があれば、クラウドソーシングに登録して案件を獲得することもできます。
(4)健康保険と年金の切り替え手続きを行う
会社で健康保険に加入していた場合、健康保険の切り替え手続きを行います。
退職前に会社の健康保険に2か月以上加入していた場合は、退職後も同じ健康保険に2年間継続加入できる「任意継続」の制度がありますが、通常は「国民健康保険」に加入することになります。
また、年金のほうも厚生年金から国民年金へ切り替え手続きを市役所などで行う必要があります。
(5)開業届を提出する
必須ではありませんが、フリーランスとしての事業開始から1月以内に税務署に「開業届」を提出することにより、青色申告が利用可能になります。
また、「自分で決めた屋号での口座開設ができる」、「小規模企業共済に加入できる」などのメリットもあるので、検討してみてください。
開業届は正式には「個人事業の開業・廃業等届出書」というもので、お近くの税務署の窓口で貰うか、または国税庁のホームページから書式をダウンロードできます。
(6)フリーランスとしての事業を開始する
上記のような準備が整えば、フリーランスとしての事業をスタートすることができます。
必要に応じて仕事専用の預金口座やクレジットカードを作成したり、請求書・見積書・契約書・注文書・納品書などの書類を用意するようにしましょう。
軌道に乗せるまでは大変ですが、ある程度仕事のパターンを作ってしまえば定年退職後もフリーランスとしての仕事を継続することができ、成果次第では大幅な収入アップも期待できます。
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