第二の人生を実りある豊かなものにするために、将来はどこで暮らすかを決めておくのも大切です。
現在の場所、現在の家でそのまま暮らすのも一つの選択ですが、家族関係の変化や生活資金の問題、健康問題などを総合的に考慮して、住む場所を決めておきましょう。
第二の人生で何をやりたいかを中心に
第二の人生でやりたい事を明確にしておくことは、どこで暮らすかを決める場合の重要な判断基準になります。
定年後も都会で働きたいという方や、ビジネスを展開したいという方、賑やかなところで店を続けたいという方、都会のほうが性に合っているという方は、第二の人生も都会で暮らしたほうが充実した毎日になります。
一方、生まれ故郷に戻りたいという方や農林漁業に従事したいという方、地方都市で独立起業したいという方、自然豊かな田舎で趣味を楽しみたいという方、海外移住したいという方などは、第二の人生に向けた新しい暮らしへの準備が必要です。
地方移住の流れが加速
内閣府の調査によると、2014年の頃から若い世代の間で「田園回帰」の動きが見られ、定年退職後のシニア層の間では農山漁村地域に定住したいという希望を持つ人の増加が見られました。
そして、新型コロナウィルスが流行した2020年からは、全世代の間で地方移住の流れが加速しています。
多くの企業でテレワークが導入され、無理して大都市に住む必要がなくなったこともひとつの要因ですが、感染症に対しては「密」になりやすい都会より、郊外のほうが安全であるといった認識が広まったからとも言えます。
さらに、人口減に悩む地方自治体では、定住者に対するさまざまな支援制度や、空き家バンクの活用なども推進しているため、今後も地方移住の流れは続くと見られています。
家族関係の変化への対応
60代、70代、80代、90代と年を経るにつれ、家族関係が変化して行くことも考慮しておく必要があります。
子供たちが結婚して家を離れることもあり、同居して孫が産まれ、家族が増えることもあります。
夫婦ふたりだけなら、広く大きな家は管理しきれなくなる可能性もあり、また家族が増えれば二世帯住宅にする必要があるかもしれません。
シニア同士で結婚や再婚をしたり、または熟年離婚に直面する人もいます。
第二の人生をどこでどう暮らすかについては、このような家族関係の変化にも柔軟に対応して行くことが大切です。
快適な生活環境を目指す
第二の人生で暮らす場所を決める時、快適な生活環境に可能な限り近づけるようにしましょう。
快適な生活環境の条件として、空気がきれいなこと、飲み水がおいしいこと、自然災害のリスクが低いこと、周囲に騒音や異臭がないこと、車の往来が激しくないことなどが挙げられます。
また、高齢化して車の運転ができなくなった場合でも、問題なく生活できるかどうかを考慮しておく必要があります。病院やスーパー、銀行、郵便局、コンビニなどが歩いて行ける距離にあるかどうか、あるいは行くための交通手段があるかどうかもチェックしておきましょう。
もし、おひとりさまになったら・・・
ずっとシングルを通して来た人、離婚した人、配偶者と死別した人など、事情はさまざまですが老後をおひとりさまで暮らすことになる可能性は誰にでもあります。
そのため、第二の人生で暮らす場所を選ぶ時には、おひとりさまになった場合のことを想定しておくことも大切です。
ひとりになっても、自立して楽しく暮らせるかどうか、介護が必要な状態になった場合、周囲の支援は得られるかどうかなども重要なチェックポイントになります。